橘玲さんの「得する生活」という本を読んだので紹介します

書評

お金持ちほどお金を使わずにお得な生活をする方法を知っています。

お金持になるにも貧乏のままでいるのも経済学的に理由があります。

本書は2003年に初版発行と少し古くて現在とは状況や制度が変わっている部分もありますが知っていると得をする(知らず知らず損をしている)ことや経済合理的な考え方が書かれています。

手元の1万円と1週間後の1万円、価値は同じ?

突然ですが質問です。

今目の前にある1万円と1週間後に1万円もらえる引換券どちらが価値があると思いますか?

同じ1万円なんだから価値は同じだと思いますか?

いいえ、ちがいます。正解は目の前にある1万円の方が価値があります。

なぜなら僕たちが生きているこの世界では価値のある者にはすべて値段が付けられているからです。

それは「時間」も例外ではありません。

貨幣価値は時間によって目減りしてしまうのです。

例えば目の前にある1万円(現在価値)は間違いなく1万円の価値があります。

でも1万円の引換券(将来価値)はあなたが死んでしまったり、相手が詐欺師でただの紙切れになってしまうなど不確定な要素が付きまといます。

この不確定な要素のことをリスクといいます。

様々なリスクがある分、現在価値より将来価値の方が価値が高くなっていないと割にあいません。

さらに目の前の1万円を銀行に預けておくと利息が付きます。

仮に1週間で1%の利息が付くとすると1週間後には1万100円になっているはずです。

引換券はリスクに加えて利息の面から考えても同じ価値では無いのです。

借金は踏み倒した者勝ち?

友達から10万円借りて返さずに自分のものにしてしまえば10万円もうかる。

これが経済合理的な行動だとしたら世の中に借金を返す人も、お金を貸す人もいなくなります。

こうなると世の中にお金が回らなくなり経済は成長しません。

そうならないのは、借金は踏み倒すよりも返すほうがはるかに得だからです。

友達から借りた10万円を返さないということはその友達だけでなく、ほとんどの友達からの「信用」を失ってしまいます。

まともな知能と常識のある人は借りたものはきちんと返します。

なぜなら市場経済では「信用」こそが最大の資産で、金の卵なのです。

道徳的に正しいことは経済的に合理性があるということです。

金持ちと貧乏には経済学的な理由がある

橘玲さんの得する生活を読んだ感想

一般的に「貧しい人は心が美しく、金持ちはずるがしこい」という風潮がありますがこれは間違いです。

成功者ほど他人を信頼し、貧乏人ほど疑り深く、猜疑心が強いという傾向が顕著に表れています。

ノーベル経済学賞を受賞したベッカー教授の「人的資本(ヒューマンキャピタル)」論は教育とは人的資本の蓄積とされています。

人が教育によって知識や技能を獲得すればそれが労働生産性を高め、賃金を上昇させるというのです。

医師や法律家、プログラマーの給与が高いのは彼らがずるがしこいのでもただ運が良いだけでもなく大きな人的資本を持っているからです。

関係資本(ソーシャル・キャピタル)

経済学には関係資本(ソーシャル・キャピタル)という概念があります。

良い関係資本をもつ人はより多く稼ぐことができます。

関係資本はビジネスをする上での人的ネットワークで、成功するために欠かせないものです。

ビジネスであれ、恋愛であれ、良い人間関係は信頼から生まれます。

信頼を得るためには約束を守らなくてはなりません。

格差社会はこうして生まれていく

ビシネスパートナーに恵まれた人は、他人を騙すことで得られる少しばかりのお金よりも失う信用のほうがはるかに大きいから積極的に約束を守ろうとします。

逆に失うもののない人は簡単に約束を破ります。

他人をだまして得られるお金のほうが魅力的だからです。

人的資本を積み上げていくことで経済的に成功し、成功者はお互いを信頼し合うことで関係資本を作り上げていきます。

反対に信用を失った人は誰からも相手にされずに人的資本も関係資本も痩せていき、ますます成功が遠くなります。

こうして格差社会が生まれていくのです。

利息はお金のレンタル料

橘玲さんの得する生活を読んだ感想

お金を借りる方法は色々ありますが 一般的なのは銀行、クレジットカード、 消費者金融が挙げられます。

どこもやっていることは同じで客の信用や担保を見て利息をつけて金を貸します。

これはレンタルビデオ屋がビデオを貸すのと同じく金は金貸し業者にとって レンタルに出すための商品であり利息というのは要するにレンタル料のことです。

貸金業を始めるにあたっては商売の元手であるお金をどれだけ安く仕入れられるかがポイントになります。

この点で銀行は圧倒的に有利です。

銀行は僕たち預金者から雀の涙ほどの金利でお金を集め集めたお金を高い金利で貸し出しするのが仕事だからです。

  • 銀行のカードローン金利は年利7から10%
  • ショッピングクレジットは15から20%
  • 消費者金融は28から29.2%

同じお金を借りるのでもこれだけ差があります。

たった10円、20円の違いでスーパーをはしごする主婦がいることから考えても多少の不便があっても人はより安い商品を求めるための努力を惜しまないはずです。

全く同じものを 消費者金融は100円で銀行は50円で売っているにも関わらず消費者金融でお金を借りる人が後を立たないのは不思議なことです。

経済学ではすべての人は経済合理的に行動すると仮定されているそうです。

でも現実の人は必ずしも経済合理性だけで生きているわけではないということです。

まとめ

今回はお金に関する基本的な考え方の部分を中心に感想を書いていきました。

他にも本書では銀行、クレジットカード、ポイントjカード、各種金券、マイレージ、保険、宝くじ、消費者金融、住宅ローン、リゾートマンションと会員権など「お金の秘密と世の中のカラクリ」について書かれているので面白いです。

2003年発行と少し古めの本ですが著者の橘玲さんのお金に関する知識の深さが見える面白い本でした。

橘玲さんの本がaudibleでも聴けます。会員になると最初の一冊は無料で聴けるのでお得です。

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