内田和成さんの仮説思考という本で学ぶ「考えるより行動しよう」

書評

情報が多ければ多いほど良い意思決定ができる。

このように信じているビジネスパーソンは多い。

そうであるがゆえに、できるだけ多くの情報を集め、それらを分析してから、経営課題の本質を見極め、解決策を出そうとする。

実際に起こることは何か?時間切れである。

徹底的に調べてから、答えを出すという仕事のやり方には無理がある。

では、どうすればよいのか?仮説思考を身につければよい。

本書では著者が20年間のコンサルティング経験の中で培ってきた「仮説思考」の要諦を解説する。

仮説思考表紙裏より引用

時間が限られていない仕事なんて存在しませんよね?

ありとあらゆるケースを調べまくっていたら時間がいくらあっても足りません。

立ち止まって考えるよりも実行に移していくことが大切であると本書では語られています。

まず最初に仮説を立てる

内田和成さんの仮説思考という本を読んだ感想

重要なのは最初に問題を絞り込むこと。

仮説を立てて問題を絞り込むことで、幅広いテーマでもかなりコンパクトに扱うことができます。

仮説を使うということは、問題を考えついたり答えを押し出したりするプロセスというよりむしろ効率的に不要な問題や約に立たない解決策を消去していくプロセスなのです。

もちろん間違った仮説を立ててしまう事は経験豊富な著者でもあるそうです。

全部が正解なわけではなく、間違うことも多くあります。

成功も失敗もすべて蓄積されることで、勘がさらによく働くようになるそうです。

仮説は検証することでよりよい仮説に進化していきます。

大切なことは仮説→実験→検証を繰り返し行うことです。

繰り返し行うことで個人や組織の能力は向上していきます。

仕事の中にこのプロセスを組込むことができれば、比較的スムーズに業務改善を進めていくことができます。

仮説思考は全体を見通す力

内田和成さんの仮説思考という本を読んだ感想

仮説思考によって仕事全体の構成を見通す方法はストーリーの大枠を先に作ってしまう事です。

具体的には

少ない情報で仮説思考を働かせて全体のストーリーと構成を考える。

必要な情報だけを追加で調べる

調べた結果に応じて、ストーリーを修正したり進化させたりしていく。

十分な分析や証拠がない状態でも問題に対する解決の方向性や具体的打ち手まで踏み込んで全体の仮説を作ってしまうのです。

そこで必要になるのがストーリーを構造化することだそうです。

構造化とは

「現状分析をしてみるとこんな分析結果が得られるだろう。」

「その中でも問題の核となる部分はこれ。」

「結果としていくつかの打ち手が考えられる。」

「中でも最も効果的なのはこの戦略だろう。」

という筋道を仮説ベースで作ってしまう事です。

この方法は、証拠不十分な状態で大胆にストーリーを作り上げるため重大なことを見逃してまちがったストーリーを作ってしまうリスクを心配される方もおられるでしょう。

大丈夫です。

検証するための証拠集めを始めると、思ったような証拠は集まらず、仮説が間違っていたことにすぐに気づくそうです。

初期の段階で間違いに気づくことができるので、たとえ間違っていても余裕をもって軌道修正することが可能です。

仮説思考で考えると目的、結果思考で仕事を進めることができ、成果に結びつけやすくなります。

結果、仕事が効率的にできて無駄が少なくなります。

プロ棋士の羽生善治さんも仮説思考の達人

羽生さんの棋風はオールラウンドで幅広い戦法を使いこなし、終盤に繰り出す妙手は「羽生マジック」と呼ばれています。

妙手の秘密については羽生さんの著書決断力で言及されています。

羽生さんは将棋で大事なのは決断力、すなわち意思決定だと言われています。

決断にはリスクを伴うがそれでも「あとはなるようになれ」という気持ちで指すそうです。

将棋にはひとつの局面に80通りくらいの指し手の可能性がありますがその80をひとつひとつ検証していたのではいくら時間があっても足りません。

80のうち77,78についてはこれまでの経験から、考える必要がないと瞬時に判断し、「これがよさそうだ」と思える2,3手に候補を絞ります。

これはまさに仮説思考でありそのときの意思決定を支えているのです。

羽生さんは「直感の7割は正しい」とも言っています。

それまでの対局の積み重ねから、「こういうケースの場合はこう対応したほうがいい」という無意識の流れに沿って浮かび上がったくるものだと言っています。

さらに、

「判断のための情報が増えるほど正しい決断ができるかというと、必ずしもそうはいかない。

私はそこに将棋のおもしろさがあると思っているが、経験によって考える材料が増えると、逆に、迷ったり、心配したり、怖いという気持ちが働き、思考の迷路にはまってしまう。

将棋にかぎらず、考える力というのはそういうものだろう。」

本書羽生善治さんの言葉より引用

まさに本書で著者が仮説思考の大事さ、方法を説明していることと同じで将棋の対局の経験をビジネスに置き換えても同じことが言えます。

あらゆる可能性を考えるよりも最初に焦点を絞って仮説を立てることが大事です。

まとめ

だれでも間違った仮説を立てることはあります。

大事なのは仮説→実験→検証から導き出された答えを元にまた仮説→実験→検証を繰り返して仮説の精度を高めていくことです。

失敗を繰り返すうちに経験が積み重なり仮説の立て方も上達していくと本書に書かれています。

今までの網羅思考を改めて仮説思考に少しずつでもシフトしていきたいと思わせてくれる1冊でした。

2020/5/2追記

5/1からaudibleに追加されました。音声で読書できるので頭に入りやすいです。

最初の1冊は無料なのでお試しください。

仮説思考をaudibleで検索する

コメント

タイトルとURLをコピーしました